医療法改正に伴い2018年6月1日より、新しい医療広告ガイドラインに変更となりました。
Update:2019/03/14
Written:2018/11/17
最大の変更は、
これまで自主規制だった「医療ホームページ」が広告の扱いになり、
規制対象になったことです。違反には罰則も設けられました。
医療広告ガイドライン
医療法の改正を補完する形で医療広告ガイドラインが出来ました。
この医療広告ガイドラインに違反(抵触)すると罰則が適用されます
あなたは、ご存知でしょうか?
By ITコーディネータ (経済産業省推進資格)
しかし、
この医療法改正や・医療広告ガイドラインが浸透していないせいか?
まだまだこの「医療広告ガイドライン」に抵触(違反)しているホームページがたくさんあります。
というより
ほとんどのホームページが制作時のままです。
気付いていない?
それとも、まさかガイドライン無視?
一部のホームページオーナーからの質問で、8月に「医療広告ガイドラインに関するQ&A」も厚生労働省のホームページからダウンロードできる様になっていますが、
果たして利用者がどれほどいるのでしょうか?
改正から3か月が経ちますが、どの位浸透しているのでしょうか?
多くのホームページが作った当時のままで、
一切更新されていない(これは医療のホームページに限りませんが)状態です。
これは、ホームページオーナーの意識の問題でしょうか?
それとも、ホームページ制作側に言われるがまま、ホームページ位持った方が良いと言われ、ホームページを持つこと(作成すること)が目的化されたことが原因でしょうか?
筆者は、ホームページの在り方に常日頃疑問を持っています。
それは、残念ながら「多くのホームページは作ることが目的になってしまっている」と断言できることです。
先にも言いましたが、多くのホームページが制作時のまま、ほとんど更新されずに放置されていることからもわかります。
未だに、スマホ対応さえされていないページも多くありますし、
何のためにホームページを設けたのか疑問に思います。
ホームページは名刺代わり・・・とでも?
しかし、
その名刺代わりにさえなっていないホームページであるとしても、
インターネット上に掲載している以上、多くの医療関係のホームページは、このまま放置していてはダメなのです。
法律が改正されたのですから。対応せざるを得ない状況です。
きっと、ホームページの役割を、
ウェブマーケティングが、今後ますます大事になってくることを
気づいておられないこと
残念ですが、ホームページの存在意義をお忘れかも知れません。
そして、もう一つの残念が、ホームページ制作会社がこのような大事なことを
伝えきれていない事実があることです。
どうかホームページオーナーさんは気づいて欲しいと切に思います。
あなたのホームページは大丈夫ですか?
意識の高い医師の方たちは、「医療行為で違反するなどありえない」し、
「もってのほか」だとお思いでしょう。
高い志をお持ちで、それがあたりまえだと思っていらっしゃるでしょう。
しかし、
ホームページについてはどうでしょうか?
「医療広告ガイドラインに関するQ&A」だけでもダウンロードして、
ご自分のホームページの内容と突き合わせて確認されることを強くお勧めします。
「医療広告ガイドライン」を見て内容を確認した限りでは、
ほとんどの医療機関のホームページは改修が必要になると断言できるほどです。
あなたのホームページも、何らかの修正が必要になることは100%近い確率で
ほぼ間違いなく何らかの修正が必要であると言えます。
法の遵守
ほとんどの、まじめに行ってきた医療関係者の人には悪法かも知れませんが、・・・
指導が来てから、
「改正は知らなかった」という対応は全く通用しません。
どうか、早めの対応を心がけてください。
どのような点に気をつけて、いまあるホームページを修正すればよいのでしょうか。
ここでは、多くの歯科医院のホームページに共通して見られる点について、
要点を絞って概略(読みやすさを考え一部編集していることをあらかじめお伝えしておきます)でお伝えしたいと思います。
(概略でも十分お伝えできると考えています)
詳細は、別の記事でもお伝えしていますので、そちらの方もご覧いただきたいと思います。
関連記事はこちらから確認できます
医療ホームページは規制対象でサイト変更が必要です① 2018/09/10 12:22
「知らなかった」では済まされない医療ホームページのあるべき姿② 2018/10/03 8:47
また、ダウンロードして確認されることを強くお勧めします
(以下の青文字アンダーライン部分のクリックでダウンロードできます。)
ダウンロードできます
- 「 医療広告ガイドライン 」2018年5月 40Page 2018年6月施行
- 「 医療広告ガイドラインに関するQ&A 」2018年8月版 ☚10月改定版LINK先変更で改修(11/02)
迷ったら、管轄の保健所等にお問い合わせください
厚生労働省のサイトには「医療に関する広告についてのご相談は、医療機関を所管する自治体の窓口にご連絡をお願いします。」という記載があります。
2018医療広告ガイドラインで気をつけること
専門医や学会
- 1.医師の専門医や学会の表記
- 厚労省が認めた学会の専門医等の表示は掲載可能
- それ以外は掲載不可(任意団体は活動実態などを掲載すれば限定解除可能※)
- 研修については全て掲載不可
-
広告可能事項の限定解除の要件など
「患者が自ら求めて入手する情報(ホームページなどの情報)については、適切な情報提供が円滑に行われる必要があるとの考え方から、規則第1条の9の2に規定する要件を満たした場合、広告可能事項の限定を解除し、他の事項を広告することができる。」
限定解除
自由診療
術前後の写真と簡単な説明だけ
診療科目
※01.一般歯科は「歯科」としましょう。検索でも「一般歯科」とは検索されないので「歯科」で良いでしょう
専門外来
アンチエイジング
あなたは、ご存知でしょうか?「参考」
「 医療広告ガイドライン 」2018年5月 40Page 2018年6月施行
「 医療広告ガイドラインに関するQ&A 」2018年8月版 ☚☚10月改定版LINK先変更で改修(11/02)
↑↑↑↑↑↑↑「 青文字 の下線部分を右クリック」でダウンロードできます。
はたして医療関係者の意見は?
- ☆限定解除の要件を満たすものとして下記の条件が記載されています。
- 広告可能事項の限定解除が認められる場合は、以下の①~④のいずれも満たした場合とする。
- ただし、③及び④については自由診療について情報を提供する場合に限る。
- ① 医療に関する適切な選択に資する情報であって患者等が自ら求めて入手する情報を表示するウェブサイトその他これに準じる広告であること
- ② 表示される情報の内容について、患者等が容易に照会ができるよう、問い合わせ先を記載すること・その他の方法により明示すること
- ③ 自由診療に係る通常必要とされる治療等の内容、費用等に関する事項について情報を提供すること
- ④ 自由診療に係る治療等に係る主なリスク、副作用等に関する事項について情報を提供すること
- ホームページに問合せ先( 電話番号、メールアドレスなど)を記載(クリックした先に記載するなどのわかりにくいものは掲載不可 )されていれば、厚労省に届け出していない学会や研修の参加の記載が掲載可能。
- (但し活動実績・実態が証明できること)
-
自由診療
- 2.自由診療について
- 健康保険が使えないことをハッキリ記載する。
歯医者さんである、あなたの常識ではし折って書いてはいけないということです。 - 標準的な費用を記載する
( 一部の費用や下限の費用のみは不可 。できるかぎりわかりやすく総額で示す)。 - 患者等にとって分かりやすいよう十分に配慮し、
例えば、
クリックした先に記載する
リンクを張った先のページへ掲載したり、
利点や長所に関する情報と比べて極端に小さな文字で掲載などの
わかりにくいものは掲載不可 - 自由診療は保険診療として実施されるものとは異なり、
その内容や費用が医療機関ごとに大きく異なり得るため、その内容を明確化し、
料金等に関するトラブルを防止する観点から、
当該医療機関で実施している治療等を紹介する場合には、治療等の名称や最低限の治療内容・費用だけを紹介することにより患者を誤認させ不当に誘引すべきではなく、
通常必要とされる治療内容、標準的な費用、治療期間及び回数を掲載し、
国民や患者に対して適切かつ十分な情報を分かりやすく提供すること。
標準的な費用が明確でない場合には、通常必要とされる治療の最低金額から最高金額(発生頻度の高い追加費用を含む。)までの範囲を示すなどして可能な限り分かりやすく示すこと。 -
- 価格表一覧のページより、診療内容のそれぞれのページに価格を表示する。
- 価格表一覧のページがあるサイトもお見受けしますが、基本的には、診療内容のそれぞれのページにも価格を表示することという内容です。
- 健康保険が使えないことをハッキリ記載する。
術前後の写真と簡単な説明だけ
- 3.ビフォアフター画像の記載
- 医療広告ガイドラインが議論されている中で、一旦は禁止となりましたが、条件付きで記載ができるということになりました。
- 「詳細な説明文(具体的な治療内容、副作用、リスクなど)がある」という条件付きで掲載が認められることになりました。
診療科目
- 4.医療法で正式に認められていない標榜科目を掲載していないか
審美歯科、ホワイトニング、予防歯科、一般歯科(※01)など
- 医療広告ガイドラインでは、具体的な名称で記載してはいけない科目を明示しています。
- 歯科に関係する名称
- 医療法では、歯科、小児歯科、矯正歯科、歯科口腔外科 である。「小児矯正歯科」など診療科目にある複数の事項を組み合わせた通常考えられる診療科名は可能。
- 「インプラント科」、「審美歯科」など、これら法令に根拠のない名称と診療科名とを組み合わせた場合であっても、その広告は認められない。※02
- 歯科ではよく「審美歯科」と表示していますので、こちらを標榜科目として表示するのは掲載不可となります。※02
※02改定版の「医療広告ガイドラインに関するQ&A 」では、「審美」について限定解除要件を満たせば可能と受け取れます。が、管轄の保健所などへの確認が必要と考えます。(2018/11追記) - ホワイトニングやインプラントは薬事法の承認を受けた器材で承認範囲内の治療であれば広告できます。
当然のことですが、自由診療の要件のハッキリした明記が必要となります。
専門外来
- 5.○○専門外来という表現を使っていないか
- 外来というキーワードは、医療機関の中でも良く使われるキーワードです。表現として使いやすいということもあって、よく使われている表現です。
- 但し書きとして、「○○専門外来」という表記無しで、専門性の高いというコンテンツ内容にすることは掲載可能ということのようですので、「専門」という表現に気をつけて書くということが必要です。
- 口臭専門外来、予防歯科専門外来 など ➡ 限定解除要件を満たせば掲載可能
アンチエイジング
- 6.アンチエイジングという表現
- アンチエイジングという表現は一切禁止ということになります。
- たとえ文中のキーワードとしての表示でも掲載不可です。
- アンチエイジングは診療科名として認められておらず、
- 公的医療保険の対象や医薬品医療機器等法上の承認を得た医薬品等による診療の内容ではなく、広告としては認められない。
体験談・アンケートの記載も規制対象
- 7.患者の体験談の紹介
- 治療が終了したり・利用された方の体験談を紹介するのは原則掲載不可です。
- 治療の内容や効果に関係しない場合:患者さんの声、口コミ、アンケート、体験談は限定解除要件を満たせば掲載可能。
- これらが、治療の内容や効果に関係する場合は、掲載不可(誘引性が認められもの)
- 患者等の主観に基づく、治療等の内容又は効果に関する体験談、「患者その他の者の主観又は伝聞に基づく体験談を広告をしてはならないこと」とは、医療機関が、治療等の内容又は効果に関して、患者自身の体験や家族等からの伝聞に基づく主観的な体験談を、当該医療機関への誘引を目的として紹介することを意味するものであるが、こうした体験談については、個々の患者の状態等により当然にその感想は異なるものであり、誤認を与えるおそれがあることを踏まえ、医療に関する広告としては認められないものであること。
- これは、患者の体験談の記述内容が、広告が可能な範囲であっても、広告は認められない。
- なお、個人が運営するウェブサイト、SNSの個人のページ及び第三者が運営するいわゆる口コミサイト等への体験談の掲載については、医療機関が広告料等の費用負担等の便宜を図って掲載を依頼しているなどによる誘引性が認められない場合は、広告に該当しないこと。
- 個人がやっているウェブサイトで、医療機関が便宜を図っていないサイトでの体験談は問題ありません。
- 8.著名人が治療を受けている旨を表示していないか
- 有名人や芸能人が治療を受けていますよ!!は掲載不可です。
- 他の病院又は診療所と比較して優良である旨の広告(比較優良広告)
- 特定又は不特定の他の医療機関(複数の場合を含む。)と自らを比較の対象とし、施設の規模、人員配置、提供する医療の内容等について、自らの病院等が他の医療機関よりも優良である旨を広告することを意味するものであり、医療に関する広告としては認められないものであること。
- 【具体例】
- 「芸能プロダクションと提携しています」
- 「著名人も○○医師を推薦しています」
- 「著名人も当院で治療を受けております。」
記事
- 9.雑誌や新聞で当院が紹介されましたという表示をしていないか
雑誌や新聞で取り上げられましたということを記載することは掲載不可です。-
- 雑誌や新聞で紹介された旨の記載 自らの医療機関や勤務する医師等が新聞や雑誌等で紹介された旨は、広告可能な事項ではないので、広告は認められない
-
SNS、blogも対象
オフィシャルサイトではなく、「SNSやblogも対象になるの?」という質問を良く受けます。
医療機関が運営していることが明確なものは、「インターネット上の広告」という表現に含まれると解釈されるので、規制対象になります。
これは非常に残念なことです。(真面目に行ってきた医療機関の方からするととんでもない規制だと思いますが・・・)
(サイト外に離脱する外部ブログは残念とは言えないのですが、)
SNSやサイト内ブログで今までの情報資産が、誘引性が認められものは広告に該当するということで掲載不可となりました。
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